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「健康」で「快適」そして「安全」に暮らせる「信州健康ゼロエネ住宅」

取材日:2023年8月31日

「健康」で「快適」そして「安全」に暮らせる「信州健康ゼロエネ住宅」
新築 北信
施工会社

坂田木材株式会社

本記事は、長野県が信州健康ゼロエネ住宅建設における事業者の方々の取り組みを取材したものです。

1947年、木材店として創業し、木材業を生業としてきた坂田木材株式会社。現在は、県産木材にこだわり、木材の仕入れから製材、乾燥、建築までを自社一貫で行っています。
木のプロとして素材一本一本を生かしながら、自然素材も取り入れ、住まい手が「健康的」で「快適」、そして「安全」に暮らせる家づくりにこだわっています。
そのために必要な高い断熱性能と耐震性能を兼ね揃え、さらに「創エネ」ができる再生可能エネルギーを取り入れた家は、長野県が2050年ゼロカーボンを目指し普及を進める「信州健康ゼロエネ住宅」の推奨基準に適合しています。

内海様

(「信州健康ゼロエネ住宅」のメリットについてお話しいただいた「坂田木材株式会社」住宅部の内海さん)

 

無垢の県産木材で快適に暮らす

スギ、ヒノキ、アカマツ、カラマツなどの県産の無垢木材を中心に家づくりをする「坂田木材」。県産木材や無垢の木の魅力について「坂田木材」の内海さんに伺いました。
「フローリングなどもそうですが、やっぱり無垢の木を使うことで、人間の五感に響きます。木のいい香りがする、癒やしの効果や、裸足でフローリングに触れたときに感じる気持ちよさや温かみ。また“木視率”といって、室内にいる人から見える木の使用割合を40%〜50%くらいにすることで、個人差はありますが、安眠効果があったり、知的作業効率が向上する効果もあるというデータもあります。無垢の木は、住む人が快適に過ごせる力を持っています」と内海さんは話します。

また、県産の木を使うことは、地域経済が潤い、長野県の森も整備、活性化することにつながります。さらに木は二酸化炭素を吸収する効果があるので、森が豊かになれば地球温暖化防止にもつながると同社では考えています。

内観

(坂田木材では、躯体のみならず内装にも無垢の木を使用するので、裸足でも快適に過ごせ、シックハウス症候群の起こりにくい住まいを提供している。)

 

県産の無垢材で、長く、次の世代も住める家 

さらに木の家の丈夫さについて、自然環境で育った木を地元の家づくりで使用することは家が長持ちすると内海さんは話します。

「弊社では、構造体の梁(はり)や桁(けた)には粘り強さがあるマツ材を使い、土台や柱はヒノキ材を使っています。日本最古の木造建築といわれる法隆寺は、ヒノキづくりで1400年以上、存在していますが、その他の材種では、ここまで長く持つことは無かったと言われています。そして、その土地で生育した木を使うことにより、山と町、川上と川下、生産者と消費者を繋げ、地球温暖化防止にも寄与し、郷土愛を育みます。
また、耐震性能に対しても一棟一棟耐震診断を行い、信州健康ゼロエネ住宅が推奨する耐震等級3を標準に、災害にも強い家づくりをしています。」

構造

(土台や柱はヒノキ材。ヒノキ材は伐採後、より強度が高くなるといわれ、白アリ対策や防虫効果もある。梁や桁に使われるマツ材。粘り強さや曲げ強度の高さを生かして、上から荷重がかかる梁に適している。)

 

暖かな木の家で健康的に暮らす

「信州健康ゼロエネ住宅」の特長の一つである、高い断熱性能。高断熱高気密の家では夏は涼しく、冬は暖かく過ごせることもメリットです。
坂田木材では、室内の温熱計算(室内の断熱性能=UA値を求める燃費計算)を全棟で実施します。壁部分は、構造体の柱と柱の間にグラスウールの断熱材を12センチ入れ、さら付加断熱として外側に10.5センチ加え、断熱材の厚みを22.5センチにして断熱性能を高めています。
さらに、室内でもっとも熱が逃げやすい窓の断熱性能を高めるため、樹脂のペアガラス、もしくはトリプルガラスを採用。
このように断熱材と窓の性能を高め「信州健康ゼロエネ住宅」が求める最低基準(UA値0.5〜0.4)を上回るUA値0.3前後を標準としています。

そして、坂田木材では断熱性能を考慮する上で、大切にしていることは、自然エネルギーを最大限に活用するパッシブな設計です。様々な外部環境を考慮しながら、確かな技術できちんと施工することにこだわりを持っています。

このような高断熱高気密の家では、夏涼しく、冬暖かな快適な暮らしが実現し、さらに室内の温度差も少なく血圧も安定するため、ヒートショック予防にもつながるなど健康的に過ごすことができるのです。

断熱材

(坂田木材では確かな職人技術により、欠損なく断熱材(ピンク色)を入れている。)

 

高い断熱性能で、家計にもやさしい暮らし

断熱性能が高い家は、部屋から熱が逃げにくく、最低限の冷暖房使用で住むことが可能になり、光熱費が安くなることもメリットです。
これは、省エネ基準の家と坂田木材が標準とする信州健康ゼロエネ住宅の推奨基準で建てたときの温熱計算による冷暖房費を比較するデータです。
省エネ基準の家では断熱性能を表すUA値を0.75として計算、それに対して信州健康ゼロエネ住宅の推奨基準に適合する家の場合(UA値0.26)、暖房時の効率を2.50、冷房時の効率を4.00で電気料金の単価を40円としてシミュレーションをすると、年間の暖房費は5万5,720円、年間の冷房費は1万3,958円、合計で6万9,678円となります。

このデータはシミュレーションで、実際の暮らし方によって光熱費は上下しますが、一般的に断熱性能が高いと光熱費が安くなるので、家計にもやさしい暮らしになるのです。

 

データ1

データ2
 

(新住協の「Qpex」で「信州健康ゼロエネ住宅」推奨基準の家を温熱計算した結果。間取り、立地などの同条件で、一次消費エネルギーを省エネ基準レベルにすると年間冷暖房費18万2,426円に対し、「信州健康ゼロエネ住宅」推奨基準の家(面積110.97平方メートル/33.57坪)だと年間冷暖房費が6万9,678円となりかなりお得。)

 

地球温暖化防止にも貢献する、再生可能エネルギーを利用した暮らし

高い断熱性能に加え、さらに「創エネ」のために再生可能エネルギーを取り入れると、より年間の光熱費を抑えることができ、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロに近づけることが可能になります。

「坂田木材」では太陽光で自家発電をするソーラーパネルや、薪ストーブやペレットストーブといった環境負荷の少ない暖房器具を積極的に採用。また、太陽光を利用しお湯を沸かす太陽集熱給湯暖房システムを導入するなど再生可能エネルギーの利用を勧めています。
ソーラーパネルで電気を自家発電し、さらに蓄電することで災害時にも電気を家庭で使える太陽集熱給湯暖房システムと組み合わせることでお湯をつくることも可能になります。
もちろん、薪ストーブやペレットストーブなら災害時にも暖まることができます。

「住宅で使用するエネルギーを極力減らし、あわせて必要なエネルギーを創りながら、エネルギー使用実質ゼロを目指す『信州健康ゼロエネ住宅』は、二酸化炭素の排出を抑制し、地球温暖化防止にも貢献する環境にやさしい、これからの未来に必要な住宅です」と、内海さんは話します。
 

太陽光パネル

(信州健康ゼロエネ住宅では、再生可能エネルギー設備等の設置としてソーラーパネルを3キロワットアワー以上設置することを基本要件の一つとしています。)

 

【会社情報】
坂田木材株式会社 
長野市篠ノ井西寺尾2772-1 電話: 026-292-3203
https://www.sakata-mokuzai.com/(別ウィンドウで外部サイトが開きます)

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