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長野県産木材にこだわり、信州の景観に調和する「信州健康ゼロエネ住宅」

取材日:

長野県産木材にこだわり、信州の景観に調和する「信州健康ゼロエネ住宅」
新築 東信
施工会社

美し信州建設株式会社

本記事は、長野県が信州健康ゼロエネ住宅建設における事業者の方々の取り組みを取材したものです。

主に長野から軽井沢まで、東北信エリアの家づくりをする「美し信州建設株式会社」。「美しい本物の住まい」を理念に掲げ、長野県産木材と断熱性能にこだわった家づくりです。また、日射率の良い東信エリアの地域性を生かし太陽光発電などの再生可能エネルギーを取り入れた住宅は「信州健康ゼロエネ住宅」基準にも適合します。

2050年ゼロカーボンに向け長野県が推奨する「信州健康ゼロエネ住宅」は「光熱費が安い」「健康で快適」「災害にも強い」「豊かな暮らしを実現」が特徴で、その基準に適合する住宅は最大200万円の助成金が受けられます。

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(「信州健康ゼロエネ住宅」のメリットについてお話しいただいた「美し信州建設株式会社」の中嶋社長)

上質な木の家をつくるために

長野県産木材にこだわった家づくりをしている「美し信州建設」。使用する木材の9割は、木曽ヒノキ、南信州スギ、東信のカラマツなどです。その理由を中嶋さんに伺いました。

「僕らは長野県という森林県にいますので、できるだけいい木を使って家を建てたいと考えています。日本の気候はその地域によってさまざまで、木材もその気候、風土で育ったものを使った方がその土地に適した木の家ができると考えています。」

また、伐採後、木材を十分、乾燥させることも品質の良い木材を使うためには重要だと同社では考え、木曽から仕入れたヒノキ材を自社倉庫にて半年以上乾燥させて、建築時にその木材がなじむようにストックしているといいます。

「木曽で伐採された木は乾燥させてから運んでいただくのですが、木曽と東信では風土が違うので、こちらの環境に適合させるために木材用自社倉庫で最低でも半年以上は乾燥させてからお客さんのところに使っていくやり方を約40年やらせてもらっています。乾燥度合いを均一にする目的と、木なので多少、曲がったり、少し反ったりすることもあるので、実際に建築に使う前にその”くるい“や反りを出してから使用しています。」

そして、地産地消を考える上でも長野県の木を使うことに意味があり、運搬時に発生する二酸化炭素も抑えられ、地球温暖化防止にもつながると考えています。

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(長野県産木材を使った温かみのある室内)


新しい、懐かしい信州の家

「信州健康ゼロエネ住宅」の特徴の一つでもある、周りの景観との調和。「美し信州建設」でも家づくりのコンセプトに「新しい、懐かしい信州の家」を掲げ、信州の自然や周辺の景観にも合うように仕上げていると中嶋さんは話します。

「その家の周りから見て、急に新しい建物がポコっとできたというよりは、昔からそこにあったような雰囲気になるように、その地域・環境との調和を考え外装材には木材や自然素材を用いています。また室内側から見て心地良くいられる場所づくり、長野県は見渡す限り山なので、例えば『ここの方向にこういうものが見えたらいいな』とか、一部、景色を切り取るような窓の取り方なども考えつつ、内装材には無垢の木や漆喰、珪藻土などを使っております。」

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周辺の景観と調和した外観

断熱性能を高め、家計にも健康にもやさしく

夏涼しく、冬は暖かい家に必要な断熱性能。同社では「信州健康ゼロエネ住宅」の推奨基準である断熱等性能等級6となるよう断熱性能を高めています。
その際、長野県は広く、軽井沢エリアと上田エリアでは気候なども異なるため、軽井沢など冬の気温が低いエリアでは付加断熱をして暖かい家になるように仕上げています。

「通常、僕らは外断熱工法で板状の断熱材・フェノールフォーム保温板を入れて、断熱をしていくんですけど、それだけだと寒い地域では断熱効果が足りないので内側にも充填断熱として高性能なグラスウールを付加します。そうすることで寒い地域でも断熱性能の高い家に仕上げることができ、冬場、朝の気温が低い時間帯でも部屋は暖かいので、『寒くて、布団から出たくない』ということもないと思います。」

また断熱性能を考える上で重要な窓についても、その地域の気候や日差しの入り方なども踏まえ、ペアガラスとトリプルガラスを使い分けています。

一般的に断熱性能が高い家では冷暖房などのエネルギー使用量が抑えられるため電気代の節約にもつながります。

また、断熱性能が高いと各部屋の温度差が小さくなるため、ヒートショックの防止にもなり、快適で健康的な暮らしを送ることができます。

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(寒い地域では外断熱に加え内側に断熱材を充填)

日射率の高い上田エリアに適した太陽光発電

家の断熱性能を高め、冷暖房などのエネルギー使用量を抑えた上で、さらに再生可能エネルギーを使用することで実質、エネルギー使用量をゼロにすることが可能になります。特に国の脱炭素先行地域に選ばれた上田市をはじめ、東信エリアは日射率が高いため太陽光発電に適した地域といわれています。

「上田もそうですし、東御市もそうですし、東信エリアは日射率が高くて降水量が少ないので、そこを十二分に活かすには太陽光発電はすごく適していると思います。実際にこの上田市ではソーラーパネルを載せる家が増えています。」と中嶋さんも話します。

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(太陽光発電用のソーラーパネル)

また同社では太陽熱を利用した集熱パネルを屋根に載せ冬は暖房に、夏はお湯をつくりお風呂やキッチンで使うことも提案しています。

「ソーラーパネルとは別に、屋根に載せた太陽熱集熱パネルで空気を暖め、冬はその暖かい空気を、ダクトを通じて床下に送り込んで蓄熱し、暖房に利用します。床下から暖めるので足元も冷たくありません。夏はその太陽熱を利用して水をお湯に替え、お風呂やキッチンで使うことが可能で電気代などの節約にもつながります。」

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(太陽集熱パネルのイメージ)

地球温暖化防止にも寄与する薪ストーブ

軽井沢に家を建てる方は、薪(まき)ストーブの導入が多いという中嶋さん。輻射熱の暖かさを感じられるため、お客さんからは「エアコンの暖かさとは違い、暑いくらい」と喜ばれているそうです。さらに薪ストーブで煮炊きもできるので「ストーブの上にやかんを置いてそのお湯で入れたコーヒーが抜群にうまい」と言う方もいるそう。

また、薪を使うことで森林に手が入り、森林が整備されることで災害防止にもつながるので、環境にもやさしいと中嶋さんは考えています。

「山は、そのままにしておいてもだめになっていくだけで間伐をしないといけないんです。森林を定期的に下刈りや間伐によって手入れをしっかりとすることで土に日が当たり、草木が根をしっかり張ることで土も肥え土砂災害も起きにくくなります。また、木は成長する過程で多くの二酸化炭素を吸収するので、地球温暖化防止にも寄与します。」

「美し信州建設」では、快適で健康にも家計にもやさしく、地球温暖化防止にも寄与する「信州健康ゼロエネ住宅」が、これからの時代には必要だと考えています。

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【会社情報】
美し信州建設株式会社
上田市中之条1268-1 TEL 0268-27-6667

https://www.sinshuu.co.jp/

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