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季節を感じられる中庭のある平家で、ゼロエネルギーライフ

取材日:2024年2月2日

季節を感じられる中庭のある平家で、ゼロエネルギーライフ
新築 南信
施主

Kさん

南信州で衣料品などを扱う店舗を経営されているKさん。嫁いでから長年、暮らした2階建ての住居には使わない部屋があり、断熱性能が低く冬は寒いことも気になりました。平家でシンプルに暮らしたい―。建て替えを考える中、飯田市に本社を構え、平家の家づくりを得意とする株式会社OTECの家づくりに惹かれます。希望条件は「中庭のある平家」そして「薪ストーブ」。実際に同社のモデルールームを見学し、家づくりへの思いと備え付けられた薪ストーブの暖かさを気に入り「ここなら、理想の家が建てられる」と、建て替えを依頼。2022年12月に新居が完成し、「信州健康ゼロエネ住宅」で理想の暮らしが始まりました。

季節を感じられる中庭のある平家

Kさん宅内装

(季節とともに表情を変える中庭のある暮らし)

「信州健康ゼロエネ住宅」の特徴のひとつ「自然を感じられる豊かな暮らし」。リビングの隣に設計された中庭には、樹皮が美しく繊細な枝ぶりのヒメシャラの庭木が植えられています。春がくると新緑の葉を豊かにつけ、初夏には、かれんな白い花を咲かせ、秋には紅葉も楽しむことができます。
「自分だけが眺めるプライベートな中庭なんですけど、自然を感じられて癒やされますね。」と話すKさん。
冬にはヒメシャラの隣にクリスマスローズの白い花が咲き、中庭の景色も変わります。

再生可能エネルギーの薪ストーブで暖をとる

薪ストーブ

(木質のバイオマス(生物資源)エネルギーでもある薪は、山で伐採しても新たに植林して育てることができる再生可能エネルギーの一つ)

「薪ストーブにあたりながら、インテリアの本を眺めコーヒーを飲むのが至福のひとときです。火のゆらぎもいいですし、体の中までぽかぽかです。」と話すKさん、昼下がりにつかの間の休息をとり、中庭に面したリビングでくつろぎの時間を過ごします。

建て替え前の住居で使用していた石油ストーブに比べ薪ストーブは、遠赤外線の輻射熱(ふくしゃねつ)により壁や床など部屋中をじんわり暖めることができます。
エアコンも備え付いていますが、暖房としての使用回数は少なく、多くの二酸化炭素を排出する化石燃料由来の電気使用量が抑えられています。

薪は燃える際に二酸化炭素を出しますが、山で木が成長する過程で二酸化炭素を吸収するので実質プラスマイナスゼロ、地球温暖化防止にも寄与する再生可能エネルギーです。南信州の里山で育ったアカマツやカラマツなどの針葉樹や、奥山で育ったクリやナラ、サクラなどの広葉樹を薪に使用することで、地域の林業の活性化と持続可能な国有林•共有林の整備にもつながっています。

高性能断熱材+高性能サッシ+熱交換換気システムで仕上げた高断熱住宅

高い断熱性能を備える「信州健康ゼロエネ住宅」。Kさんの家では柱と柱の間に断熱材として厚さ105ミリのグラスウールを充填、さらに外壁側にも厚さ50ミリのEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を付加断熱。天井裏には厚さ200ミリのセルロースファイバーをすき間なく張って桁上断熱し、床下は冬の寒い信州ということもあり基礎断熱とすることでさらに断熱性能を高めました。

住宅の中で熱がもっとも逃げやすい窓は高性能な窓を採用し、UA値0.34、断熱等性能等級6相当で、「信州健康ゼロエネ住宅」推奨基準に適合します。

高断熱の家では換気設備もその効果に影響します。通常、UA値が低く断熱性能が高くなればなるほど、換気による熱損失の割合が大きくなります。窓や壁や床、天井から逃げてく熱エネルギーが小さい分、自然給気+機械排気の非熱交換換気では、冬場は室内に外から冷気が給気され、夏場は室内に暑い空気が給気されることになります。

Kさんの家は高断熱のため、換気による熱損失が大きくならないよう、省エネ効果のある熱交換型の換気システムを採用しました。室内に入ってくる空気と出ていく空気とで熱交換をすることによって、外気を室内の温度に近づけて換気することが可能になります。
せっかくUA値を0.34にしても、熱交換型の換気システムを採用しない場合の熱損失量をUA値に換算すると0.44相当になってしまうこともあるのです。

このような断熱性能の高い家では、夏は涼しく、冬は暖かい暮らしを送れるため、冷暖房などに使うエネルギー使用量を抑えられ、光熱費を抑えることができます。
また、家中の温度がほぼ一定で部屋と部屋の温度差がなくなるため、病気の原因となるヒートショックの予防にもなり、健康で快適な生活をすることができます。

シミュレーショングラフ

( UA値0.34でソーラーパネル12.54kwh搭載のKさんの家とUA値を0.53にしたソーラーパネルのない家で、35年間の光熱費をシミュレーションしたグラフ。電気料金単価は昼間40円、深夜26円で計算すると、35年間で約810万円もKさんの家ではお得になる)

太陽光発電で自家発電し、光熱費を安く、災害時にも利用

ソーラーパネル

(太陽光発電から取れる非常用電源は室内に2カ所、設置されている)

断熱性能を高め、冷暖房などの電気使用量を抑え、省エネルギーで暮らすことができる住宅に、再生可能エネルギー設備のソーラーパネルを載せ自家発電することで、実質、ゼロエネルギーで暮らすことが可能になります。
また、再生可能エネルギーを使用することで地球温暖化の原因のひとつとされる二酸化炭素の排出を抑制し、環境にもやさしい暮らしになります。

南信州は年間を通して日射率が良いため発電量も多く、その効果を実感しているとKさんは話します。
「今後は走行中に二酸化炭素を排出しないEV(電気自動車)への買い替えを考えています。EVの充電と家庭の電気使用量は、十分、太陽光発電でまかなえると思います。」
現在、12.54kwhのソーラーパネルを屋根に搭載し、日射量の多い8月は3万円近くの売電もできています。今後、蓄電池の価格がもっと下がれば購入して蓄電することも検討中です。

また、災害時に停電した際でも日中は、太陽光発電による電気使用が可能になりました。

安心•安全な耐震性能を有する信州健康ゼロエネ住宅

建築途中の外壁

(建築中のKさん宅。面材耐力壁で外壁面を覆うことで、四方が囲まれた「箱」のように地震に耐える構造になる)

「信州健康ゼロエネ住宅」は国の基準(建築基準法)より高い耐震性能を備えている安心•安全な造りも特徴です。
Kさんの住居でも、家の中の壁には筋交いを適材適所で入れ、さらに外壁にはバランスよく面材耐力壁を張ることで、より耐震性能を高め、地震にも強い造りになっています。

近年の温暖化の影響が衣料品などを扱う店の経営にも影響していると、Kさんは感じています。そのため、二酸化炭素をできるだけ出さない暮らしを送ることができる「信州健康ゼロエネ住宅」で豊かな暮らしを実現しました。

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